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2月13日 今年もついにこの季節がやって来た。 世の中の乙女達が胸に秘めたその熱い想いを甘い褐色の魂に溶かし解き放つ。 その聖戦の前日である今日、浮き立った気配の中レンジャー連邦の乙女達は神妙な顔でL島に降り立つ。 自らの最善を尽くすその為に。 L島南部。 連邦の恋する乙女達の間で淑々と語り継がれる小さな砂浜の上で空を仰ぐ少女が一人。 静謐な雰囲気にそぐわない武装を身に纏い、切れ長な瞳を閉じたまま、しなやかなその手を祈るように胸の前に組んで、静かになにかを待っている。 辺りを静寂が支配し、潮騒と風の音だけが辺りに満ちる。 数刻の間。 一陣の強い風が森をざわめかせる。 それになにかを感じ取ったように瞳を開く少女。 その瞳には強い意志の光が爛々と輝いている。 「さぁ」 口元に浮かぶのは獰猛な笑み。 努力と経験に裏打ちされた自信が溢れ出すような。 「狩りを始めましょう」 恋に全敗のカカオハンター。 愛香の戦いが今年も始まる。 /*/ バレンタイン特別SS 乙女達の聖戦2 ~逆襲の愛香~ /*/ 空が青い。 常日頃なら歓迎すべき鮮やかな日差しも、頬を撫でる柔らかな風も、今の愛香には邪魔でしかない。 風は臭いを運び、明るい太陽は愛香の姿を鮮やかに映し出す。 そして愛香は知っていた。 奴らは鼻が聞く。 何より、島の変化に恐ろしく聡い。 ―あまり状況は良くない…か 森の中を慎重に進みながら、心の中で苦笑する。 ―でも 初めてでは無い。 こんな不利などいくつも越えてきた。 今はただ冷静に。 出会ったならば一撃で。 それを心に思い起こして歩き出す。 その時。 愛香の背後の枝葉が揺れる。 息を飲み、銃を構える愛香。 引き金に指をかける。 「あ゛ーい゛ーかーさぁーん!!」 枝葉の影から飛び出してきた少女の強烈な一撃(タックル)に吹き飛ぶ愛香。 構えていたはずの銃や腕やらを弾き飛ばし正確に鳩尾を打ち抜いたその頭に悶絶する。 「いやっ…げふっ!ちょ…まっ!」 自らの意志を離れた体の反応にうまく言葉が紡げない。 「愛香さん!愛香さん!愛香さん!」 なおも泣きじゃくる少女の頭を何とか撫で付け、呼吸を整える。 その猫の耳と、銀色の髪には見覚えがあった。 「ごほっ…じ、じにあちゃん?」 「はいー!」 /*/ (文責:双樹真)
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SS1 SS2 SS3 SS4 SS1 それでは少し惚気話をしようか。 あれはいつのことだったか。 私と彼女が特に親密な付き合いを始めた頃のこと。 私と彼女が生涯を誓い合った後のこと。 そして、私と彼女の今だ。 □□□ 「何かしら?」 私が目の前、やや下方にある艶やかな黒髪を撫でると、彼女はそう問うた。 もちろん私が何をしたいか分かっていて、あしらっているだけだ。 「そんなところを触られたら、スイッチが入っちゃうわよ?」 特に熱が篭っている訳でもない、冷ややかな声音のまま、彼女はそう言う。 もちろん私はその行為を止めようとはしない。初めからスイッチを入れる気なのだから。 「あなた、さっき病院に行って栄養剤を注射されて帰ってきたばかりでしょう?」 特に私の身体を労わる風でもない、冷ややかな表情のまま、彼女はそう言う。 もちろん私がそんな程度で彼女を構うことを止めるはずもない。 病める時も、健やかなる時も、私は彼女と共に―― 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 ■■■ 「あなたは何がしたいの?」 私の顔の下で、彼女の漆黒の瞳が私を見上げる。 私は言葉は不要と、彼女の奥深くまで、探索を続ける。 「もう新しい発見なんてないでしょう?」 不安も、不満も感じさせない仕草で、彼女は私の両目をその小さな手で覆う。 私は目を封じられようと困ることはない。 彼女の身体の奥の奥、その一番奥の最深まで、道順は空で覚えている。 私が彼女に関する事柄を辞典に纏めるなら、2冊の辞典が完成されるだろう。 「あなたは何を望んでいるの?」 興味も、疑問も見えない彼女の声色。 私の答えは決まっている。例えその日に新たな決断を迫られようと。 「君と共にどこまでも」 「無理ね」 「どうして?」 「私は今度、オンラインの世界へ旅立つから。あなたにそんな時間はないでしょう?」 「人は3時間も寝られれば十分だそうだね」 彼女の鋭い眼差しが私を刺す。 私の微笑みがその視線を迎え入れる。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 □□□ オンラインの世界は秘境だった。 時に下水道へ潜り、時に密林へ赴き、時に城跡へ足を踏み入れる。 未知の怪物が襲いかかり、未知の罠が張り巡らされ、未知の人々と策を弄しあう。 手に持つ武器は易々と折れ砕け、敵は尽きず、辺りには死体が転がる。 秩序の維持にメンテナンスは欠かせず、何も出来ぬ己に歯噛みする。 そんな未踏の領域で、ある日、私の前を行く彼女は立ち止まり、振り返った。 ただひたすらに耐え、無限に耐え、彼女を追ってきた私に、彼女は問うた。 「あなた、なぜついてきたの?」 もちろん私が何と答えるか分かっていて、あしらっているだけだ。 「君が行くと言ったから」――私の答えに、 彼女は喜びの表情を見せるだろうか。感謝の言葉を返すだろうか。否。 「これをあげるわ」 艶やかな黒髪が揺れ、漆黒の瞳が煌き、冷ややかな声音で、彼女は宝箱を差し出す。 そうでなくてはいけない。そうでなければ彼女らしくもない。 「ありがとう」 私は彼女に微笑みかけ、感謝の言葉を返す。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 こうして私は爆発した。 SS2 それでは少し、彼女について話そうか。 □□□ 「ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!」 彼女は今日もまた一人、それほど親しいわけでもない人間を絶望の海へ沈めている。 そんな彼女は可愛らしい。 「奇襲 - 首切り - 灰 - ロスト!」 彼女は今日もまた一人、すっかり打ち解けたと思い上がった人間を奈落の底へ放っている。 そんな彼女は美しい。 「君は相変わらず厳しいね」 私は笑顔でそう告げる。 彼女は初対面の者にも、慣れ親しんだ者にも、等しく容赦しない。 物事は段階を踏んで――そんな理屈は通らない。 いわば、レベル1からレベル2になるのが特に厳しいのだ。 極めた先に安泰あり――そんな言葉も通じない。 いわば、レベル100でも一瞬で全てが灰になるのだ。 「あなたは優しくして欲しいのかしら?」 関心も無さそうに彼女は問うた。 それも大変魅力的だけど、と、私は笑顔でかぶりを振る。 平穏なんて、君と共にあるこの緊張には比べるべくもない。 最初からクライマックス――そして最後までクライマックス。 平らかな時など、死んだ後に全て回してしまえばよい。 君といる時に胸高鳴らせず、いつこの胸を鳴らせというのか。 存分に蹂躙してくれて結構。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 ■■■ 「エナジードレイン!」 彼女は今日もまた一人、それほど親しいわけでもない人間の苦労を水泡に帰している。 そんな彼女は輝かしい。 「壁の中に入ってしまった!」 彼女は今日もまた一人、すっかり打ち解けたと思い上がった人間の努力を灰燼に帰している。 そんな彼女は神々しい。 「君は相変わらず人の努力を踏みにじるね」 私は笑顔でそう告げる。 彼女は積み重ねたものを崩すのが好きだ。 どこまでもどこまでも先へ進んだ者を、一瞬で己の足元へ引き戻すことを喜びとする。 彼女を前にしたら、どのような努力も、研鑽も、決して完成を見ることはない。 「あなたはゴールへ到達したいのかしら?」 意味も無さそうに彼女は問うた。 それも素敵な事だけど、と、私は笑顔でかぶりを振る。 達成感なんて、君を追い続けるこの渇望には及ぶべくもない。 完成なし――故に完了なし。 安らかなる時など、死んだ後に全て追いやってしまえばよい。 君といる時に足を動かさず、いつこの足を働かせればよいというのか。 登る山の頂など見えなくて結構。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 □□□ 彼女はいつでも誰にでも厳しい。 彼女はどこまでも無慈悲だ。 彼女について、おおまかにはこれだけ知っていればよいだろう。 これ以上詳しく話そうとしたら、千夜一夜じゃ収まらない。 だがもうひとつ、彼女について忘れてはならないことがある。 「これをあげるわ」 「この宝箱は開けても大丈夫なのかな?」 「95%の確率で何も起こらないわ」 「本当に開けても何も起こらないかな?」 「ええ、もう一度言うわ。95%の確率で何も起こらない」 「それじゃあ開けさせてもらうよ。ありがとう」 彼女はとても嘘吐きだ。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 こうして私は爆発した。 SS3 それでは少し、自分語りでもしようか。 □□□ 「あなたは何で諦めないの?」 その冷たい瞳で私を見据えながら、彼女は問うた。 何度墓石の下へ送り込まれても、 どこまでも迷宮をさまよい歩かされても、 いつまでも暗闇の中を引きずり回されても、 どれほど大切なものを捨てられても、 どれだけ積み重ねた努力をふいにされても、 行き着く先はいつもいしのなかだとしても、 私は彼女を追うことを止めようとはしない。 「私は君を信じているからね」 「私の何を信じられるというのかしら」 「君は私を他の誰よりも酷い目に遭わせてくれると、信じているからね」 私は微笑む。 彼女はその冷たい瞳で私を見据える。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 ■■■ 「あなたは厳しい女が好みなのかしら?」 その凍えるような声音で、彼女は問うた。 決してそんなことはない。 私に優しく接してくれる人と、これまでに多く出会ってきた。 そして、その人達もやはりとても魅力的だった。 あるいは多彩で、あるいは多芸で、 あるいは饒舌で、あるいは親切で、 そういった優しい人達によって、私は育まれてきた。 そういった優しい人達が、私は好きだ。 ただ…… 「そういった人達よりも、不意に訪れるいしのなかの方が魅力的だというだけさ」 私は微笑む。 彼女はその凍えるような声音で応える。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 □□□ 「あなたは結局、何が好きなのかしら?」 その凍てつくような表情で、彼女は問うた。 もちろん、私が何と答えるかは分かりきっているだろう。ただのあしらいだ。 私の手元には既にひとつの宝箱。 彼女からのプレゼントだ。 これを開錠する前に、言うべきことを言っておこう。 私は何が好きなのか。 簡単な話だ。 つまり私は、 こういう風にプレゼントを渡してくれる―― そして、その時にそんな表情を私に向けてくれる―― 「君が好きなんだよ」 私は微笑む。 彼女はその凍てつくような表情を私に返す。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 こうして私は爆発した。 SS4 「知っているかしら?」 「何をかな?」 長い、長いウェディングロードを歩き、その果てに―― 深い、深いヴァージンロードを歩み、その深奥に―― 誓いの場に立つ彼女が、 同じく誓いの場に立つ私に向けて問うた。 「知りて行わざるは、ただ是れ未だ知らざるなり」 「陽明学だったかな?」 純白のヴェールの下で、彼女の冷たい瞳が煌く。 彼女はウェディングドレスの裾を踏まぬように、ゆっくりとこちらへ向き直った。 「あなたは馬鹿ね」 「知っているさ」 彼女と私と、二人の、お決まりのやりとり。 彼女はお決まりのように、冷ややかな表情を浮かべる。 「知っているならなぜ繰り返すのかしら?」 爆発は日常茶飯事で、 墓石の下へ蹴り込まれ、 暗闇の中へ押し込められ、 先の分からぬ迷路で戸惑い、 最後にはいしのなかへと至る。 もう何度繰り返したことだろう。 だがそれは学ばないからじゃない。 己の馬鹿さを知らないからじゃない。 むしろ、しっかりと、知っているから―― 「君が笑ってくれることを知っているからさ」 彼女はその暴虐を行うとき、とても楽しそうに笑う。 厳しく、冷たく、凍えるような、雪を頂く峻嶺のような笑顔を。 彼女は他の誰よりも私に対してその暴虐を振るう。 私は他の誰よりも彼女を笑顔にすることができる。 君の笑顔を見られるのなら、私は馬鹿でかまわない。 「いいのかしら?」 「いいんだよ」 白く輝くウェディングドレスの中、 彼女の艶めく黒髪が揺れ、 彼女の漆黒の瞳が煌き、 彼女は凍てつくような――笑顔を浮かべる。 私は彼女と共にいる限り、何事にも、何者にも、負けはしない。 なぜならば、 私の愛する勝利の女神は、 そのサディスティックな微笑を、 常に私へ向けるのだから。 「病めるときも、健やかなるときも、 悲しみのときも、喜びのときも、貧しいときも、富めるときも、 あなたを愛し、あなたを敬い、あなたを慰め、あなたを助け、 この命ある限り、あなたの笑顔を護ることを誓います」 「病めるときも、健やかなるときも、 悲しみのときも、喜びのときも、貧しいときも、富めるときも、 あなたを爆破し、毒を盛り、墓石の下へ送り、いしのなかへ届け、 この命ある限り、あなたに波乱を与えることを誓うわ」 ありがとう 大魔導師リィ 私は そんな あなたが 大好きだ! 「馬鹿」 こうして私達は結ばれた。 これにて私の語らいは終幕と致しましょう。 それでは、ここにお集まりの皆々様、 どうか、私と彼女との末永き幸福の前途へ、その真心からの祝福を――
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元スレURL 【SS】 リリーのアトリエ 概要 錬金術師のオトノキアカデミーからやってきた一人の女の子があれこれするほのぼの物語 参考:アトリエシリーズ タグ ^桜内梨子 ^Aqours ^μ’s ^ほのぼの ^ファンタジー 名前 コメント
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缶です。 みんなで、小笠原に遊びにいったら 猫に絡まれたとです。 一張羅の缶がボロボロとです。 みんなネタで笑ってるけど、本人割と必死です。 缶です。 夜明けの船にいってBallsと仲良くしようとしたとです。 いきなり再資源化されそうになったとです。 缶です・・・缶です 缶です…。 「土場藩国 藩王の日記より」 /*/ 土場藩国 アイテム図鑑 小笠原慰安旅行 SS /*/ 話は、前日までさかのぼる。 その日華(ヤガミスキーの一人)はパチン、パチンとホッチキスで旅のしおりを作成していた。 「よし、ちゃんとできた!」 紙をきちんと万中で折り、ページを確認して両端を止める。吏族の手伝いをしていただけあって、なかなかの腕前だ。 明日の旅行なので今日配らないといけないが、おやくそくのところは気合いをいれて作ってみた。 どばはんこく たびのしおり •おやつは3わんわんまで(1わんわん=100円相当) •どんなときもわらいはわすれない •だされたご飯は最後まで食べる •ころんでも泣かない •空き缶はくずかごに 最後はなんとなく不穏な言葉が書いてあるが、そんなことは気にも留めないのがこの国である。この国は何事にも楽しみをみつける国がらであり、うっかりすると藩王片手に缶けりが始まりそうな国であった。所詮藩王の地位など雑草の1つ上程度である。 「よーし、みんなに配るぞ、っと」 ふと知恵者の声で「通った」と聞こえた気がしたが、深いことは気にせずに参加者に渡すことにする。 摂政のは机の上に置いておいて、藩王は中庭にはる藩王の部屋(ダンボールハウス)に渡しにいくことにする。 「おうさまー、いるかなー」 「にゃー」 なんとなくこ汚いダンボールの影から猫が見えた。 「にゃー?」 返事を返すとよってくる。たしか、ペンギンにもらったらしい猫だった。 「えーと、おうさまは?」 「にゃー!」 相手は猫語である。 「えーと、いないの?」 「にゃー!!」 なんとなく意味がわからないが、どうやら出てこれないらしいのはわかった。 「これ、渡してほしいにゃ!」 そう言ってしおりを渡すと、猫は器用にくわえるとダンボールハウスの奥へと消えていった。直後に「いやぁああ、ツメ、ツメやめてツメー」という声が奥から聞こえてきたが。この国ではよくあることである。 「おうさまー、あした遅刻しちゃだめだからねー」 居留守使うのずるいー、と言って華はダンボールハウスを後にするのであった。 /*/ 旅行当日、晴れた空にお弁当、お菓子も用意して参加するメンバーが続々と集合場所にやってきた。寝起きのものもいれば、きっちりと準備してきた人もいる。 華は、用意してきたしおりを片手に全員に声をかけてみる。 「みんなー、しおりはもってきた?」 そう明るく尋ねる華に、まわりの反応は鈍い。 「えーと、みんな?」 んーと眉根を寄せている空き缶。顔を見合わせている犬。 「えーとえーと、しおりーわすれちゃいましたー」 前日もらったものをなぜ忘れる。というよりそもそも見ている気がしない。 「しょうがないなぁおうさまは、誰かにみせてもらいなさい! JAMさんとFARE-Mさんは?」 「いや、おれら犬だし」 「そもそもしおりもてないんだけど…」 「・・・・・」 そういえば、目の前にいるのは犬と空き缶しかない。 「に、にんげんは…」 きょろきょろとあたりを見回すが、悲しいぐらい犬しかいなかった。いや、少しだけいる。整備士のツナギを来た主和である。 国の独自I=Dを作った男、一応真面目な部類に入るのだが、黒オーマとの見合いに出かけようとしたり、実は整備士としてネリさんにあこがれていたりといろいろ複雑な男である。 一応大族として働きたくない、を自称する割には働きものなので、他からの信頼はそこそこにあるはずだ。 「主和さんはもってきてくれたよね」 ちょっと首をかしげつつ聞いてみる。きゅぴーん、と主和の目が光った気がした。 「華さん、しおりなんかよりも華さんの…」 いますぐにでも華の手を握って「やらないか」と言いそうな雰囲気である。 華は思わず身の危険を感じて一歩引いた。 「主和自重!」 あわてて止めに入るものもいれば、「シ自」はたらくのもめんどくさいと略するものもいる。 今から旅行に行くというのに、悲しいぐらい日常風景であった。 「もー、せっかくしおりつくったのにー」 ムダ作業に終わったと思うとちょっとがっくりくるのだが、端っこの方でしおりに目を通してくれている越前藩王の姿をみて少しは救われた気がするのであった。 結論からいうとしおりの感想は聞けないのだが。それでも犬と空き缶に比べれば数段マシである。 「うう、華さんが冷たい。せっかく知恵者にフェザーを改造して、専用I=D華蓮号とか作ってもらおうと…」 当然、上記のようにすみっこでいじけている整備士よるもマシであることは言うまでもない。 「あれ、行先小笠原じゃなくて「海法避け藩国」になってるよ」 指定券を見ていたnicoが気がついた。なにやら、事前に用意していた計画とは違う方向に進んでいるらしい。 「えーと、藩王迎えにいくんじゃね?」 急に予定に組み込まれた参加者一覧を見ながら、呟いた。 「すいません。小笠原じゃなくて行先避け藩国に変更になりました」 すでにクセになってしまったように頭を下げる時雨。参謀の頃からの手腕を生かし、軍事指導とかいいつつエステルと仲良くなっている。わんわん帝国を代表するロリコンの一人である。 (なお、一番のロリコンは嫁が8歳という某国藩王であるが、本人の名誉のため名前は伏せる) 「えー」 「なんでー、なんでー」 「あの夜明けの船がそこにあるって…」 詰め寄られるとつい謝りたくなってしまうのは、アイドレス後半の経験から身に染みついてしまっている気がする。ある意味不幸の男。 グランドクロス(あらゆる方向から圧力がかかってくる立場)の男であった。 本人は「ロリコンではない」と強く主張するも周囲の認識は「ロリコン」というあたりも、彼の不幸の一端であろう。 個性的すぎる人間を乗せて、一路海法避け藩国の夜明けの船へ。 名ばかりの慰安旅行が始まったのであった。
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目が覚めると目の前に中野梓がいた。 梓 『・・・・・・・・・・・・』 目の前にいる中野梓は布団の中で目を瞑りピクリとも動かない。 今の私は中野梓の横たわるベッドの上にふわふわと浮いている状態だった。 梓 『・・・え?え?・・・な、なにこれ・・・・・・?』 混乱して自分の体を見ると半透明に透けている。 梓 『・・・わ、私・・・死んじゃったの・・・・・・?』 今の私は魂とか幽体とかそういう状態だろうか。 あ、もしかしたら幽体離脱というやつなのかもしれない。 目の前にある私の体に入れば元に戻れるかも・・・ とりあえず自分の体に重なってみる。 梓 『・・・・・・・・・』 しばらく重なったままじっとしてみたが体に戻れる気配はない。 と、いうことは・・・・・・ 梓 『やっぱり私、死んじゃったんだ・・・・・・』 呆然とする。 まさか16歳の若さで死んでしまうとは思わなかった。 もう先輩達と演奏することもできないんだ・・・ 梓母 「梓ー。そろそろ起きなさいよー」 一階からお母さんの声が聞こえてきた。 ごめんね、お母さん。私死んじゃったみたい。 もうすぐ私の部屋に入ってきて私が死んだことに気づいちゃうんだろうなあ・・・ お母さん悲しむかなあ・・・ 梓?「・・・・・・うーん、もうちょっと・・・・・・」モゾモゾ 梓 『えっ!!?』 私の死体が・・・動いた!喋った!? ていうか動いて喋ったという事は死体ではない。 えっ?・・・・・・ていうことは私は死んでなかったってこと? ・・・・・・なんだ・・・良かったぁ・・・ホッ ・・・・・・ん? じゃあ今の私はなに? 私が中野梓の魂的なものであるなら目の前にいる中野梓の体は動かないはずじゃないの? え?え? 再び混乱し始める。 私は・・・私は中野梓。私立桜が丘高校2年1組。軽音楽部所属、リズムギター担当。 組んでるバンドの名前は放課後ティータイム。 部活の先輩は唯先輩、澪先輩、律先輩、ムギ先輩。後輩はトンちゃん。 仲のいいクラスメイトは憂と純。 ・・・うん。間違いない。私は中野梓だ。 となると・・・・・・今目の前で起きるのを渋っているのは誰? ガチャッ 梓母 「ほら、いいかげんに起きなさい!」 お母さんが私の部屋に入ってきた。 梓?「・・・・・・はーい・・・」ファーア・・・ 梓 『お母さん!私はこっちだよ!』ブンブン お母さんの目の前で手を振ってみたがどうやら私の姿は見えていないし声も聞こえていないようだ。 梓 『なにこれ・・・・・・』 つまり私は寝ている間に幽体離脱的なことをしてしまって魂が体から出てしまった、 そして今私の体には別の『誰か』が入って体を動かしている、ということか。 そしてどうやら私の体を動かしている『誰か』にも私の姿は見えていないようだ。 ふわふわと浮いている私を気にも止めず着替えを始める『誰か』。 ――――――――― 梓?「いってきまーす」 まだ現状を理解しきれていないがとりあえず私はこの私の姿をした『誰か』についていくしかなかった。 私の体で勝手なことをされては堪らない。 とは言っても勝手なことをされたとして、今の私にそれを止める方法があるとは思えないんだけど。 どうやら誰にも見えていないし声も聞こえていないようだ。 そして物に触れることもできないので、ただ見ていることしかできない。 一つ期待していることといえば・・・純だ。 確か以前純は『私わりと霊感強くてさー。結構見えちゃう人なんだよねー』なんてことを言っていた。 今の私が霊的な存在ならば霊感の強い人ならもしかして見えるかもしれない。 そんなことを考えながら私の姿をした『誰か』の後をふわふわとついていくと、 純 「あ、おはよー梓」 ナイスタイミング! 登校中に純と出会うことは滅多にないのだが今日に限って会えるとはラッキーだ。 梓?「おはよう純。今日は珍しく早いね?」 梓 『純!純!見えてる?聞こえてる?私が本物の梓だよ!』バタバタ 純 「へへへ、目覚まし見間違えて一時間早く起きちゃった」 梓?「唯先輩と一緒じゃん・・・」 純にはがっかりだよ・・・・・・ なにが霊感強いだ! なにが見えちゃう人だ!! 嘘つき!全然見えてないじゃん!! ・・・・・・はあ。まあいいや。見えないのはしょうがないとして 純なら喋っていればきっとその『誰か』が私じゃないと気づくだろう。 私の体に入っているのが誰なのかは知らないがそのうちボロが出るはずだ。 ―――――― ・・・・・・私の期待も虚しく、純と私の姿をした『誰か』は仲良くお喋りしながら学校に着いた。 純には心底がっかりだよ・・・・・・ もういい。そもそも純に期待するなんてどうかしていた。 学校に着いたなら憂がいる。憂ならきっとこの『誰か』が偽物だって見抜いてくれるはず! ―――そんなふうに期待していた時期が、私にもありました。 私の姿をした『誰か』は見事に私を演じているのだ。 憂を始めとしたクラスの誰も不審がりはしないし誰にも私の姿は見えない。 このままじゃ私の体はこの偽物の『誰か』に取って代わられてしまうんじゃないかと不安になる。 最後の希望は・・・軽音部の先輩方・・・・・・! ―――――― 放課後になり、部室に向かう私の姿をした『誰か』。 そしてその後ろをふわふわとついていく私。 梓?「こんにちはー」 部室内には唯先輩、澪先輩、律先輩の三人がいた。 ムギ先輩は遅れてくるのかな? とりあえずふわふわ浮いている私に驚かないということは私の姿は見えていないようだ。 でも・・・先輩方なら今そこにいる私が本物じゃないと気づいてくれるはず! お願いします先輩方! カバンとギターを下ろした私の姿をした『誰か』に唯先輩が近づく。 唯 「あーずにゃ~ん♪」ギュウ 梓?「えへへ、唯センパーイ♪」ギュウウウ 唯律澪 「「「!」」」 出た!遂にボロが出ましたよ! 本物の私は唯先輩に抱きつかれて抱きつき返すなんてするわけありません! 気づいてください!先輩方! 唯 「ふおぉぉぉぉぉぉお!あずにゃんが!あずにゃんがぁぁぁぁぁあ!!」 澪 「」 律 「お、おいおい・・・どうしたんだよ梓」 梓?「別にどうもしませんよ?大好きな唯先輩に抱きつかれたので抱きつき返しているだけです///」 梓 『わ、私がそんなこと言うわけないじゃないですか!気づいてくださいよー!』バタバタ 唯 「あ、あずにゃん・・・今なんて言ったの・・・・・・?」 梓?「え・・・だ、大好きな唯先輩って、言いました・・・・・・///」 梓 『私はそんな事言わないーーーーーー!!』 唯 「う、うぅぅ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」ボロボロ 梓?「ゆ、唯先輩?どうしたんですか!?泣かないでください・・・」 唯 「ごべんねぇ・・・でも、嬉じぐっでぇぇぇぇぇぇ・・・」ボロボロ 梓?「唯先輩・・・・・・///」 梓 『・・・・・・・・・』 私の姿をした『誰か』は唯先輩が落ち着くまで抱きしめ続け、ハンカチで涙を拭いてあげていた。 ・・・・・・ホントならそれは私の役割なのに・・・・・・いや、私ならそもそも唯先輩に抱きつき返すことも 大好きですなんて言うこともしないわけで、そうなると唯先輩が泣き出すこともそれをなだめる なんてことも起こりえないのですが・・・・・・ 梓?「落ち着きましたか?唯先輩」 唯 「うん・・・えへへ、ありがとうあずにゃん///」 律 「・・・まあとりあえず座れよ、二人とも」 澪 「そ、そうだな。ちょっと話し合おう・・・」 二人のやり取りを黙って見ていた律先輩が声を掛ける。 澪先輩は私の姿をした『誰か』と唯先輩が抱き合ったあたりから硬直していましたが 帰ってこられたようです。 律 「えーっと。つまり、なんだ。お前らは付き合うってことか・・・?」 二人が席に着いたところで律先輩はそう切り出した。 唯 「えっ///えっ///付き合うとか、まだそんな、ねぇ・・・?」 唯先輩は同意を求めるように私の姿をした『誰か』に視線を送る。 梓?「わ、私は・・・唯先輩が良ければ・・・お付き合いしたいです・・・・・・///」 梓 『ちょ、ちょっと!そんな大事なことあなたが勝手に決めないでよ!』 と、叫んでみたところで私の声はここにいる誰にも届かない。 律 「だってよー唯ー。後輩にここまで言われてどうするんだー?」ニヤニヤ 澪 「そ、そうだぞ唯。ちゃんと返事してあげないと!///」 梓『律先輩澪先輩!そんな煽るようなこと言わないでください!わ、私の気持ちが・・・・・・』 唯 「う、うん・・・わかったよ・・・あずにゃん・・・わ、私と・・・・・・」 梓 『ダメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』 唯 「お付き合いしてください!け、結婚を前提に・・・!///」 梓?「は、はい・・・!よろしくお願いします・・・・・///」 律 「おいおい。いくらなんでも結婚を前提には気が早すぎるだろー」ニヤニヤ 澪 「そんなことないぞ!お付き合いする以上は将来のことも真剣に考えないと!えらいぞ、唯!」 ・・・・・・ナニコレ? 私と唯先輩は恋人同士になったっていうこと? 私の意思は無視して? いえ、私もこうなることを望んでいなかったかと言えば嘘になりますが・・・ こんな形で叶っても嬉しくない・・・ 唯先輩も唯先輩です! 私の事ホントに好きならその私が本物じゃないって気づいてくださいよ! 澪 「いや、しかし唯が梓のこと好きなのは知ってたし、 梓も多分唯のこと好きだろうと思ってはいたけどなあ・・・」 律 「だよなあ。梓が素直じゃないからくっつくのはまだまだ先かな、 なんて思ってたんだけどなー」 唯 「えへへ・・・あずにゃん。大好きだよ///」 梓?「嬉しいです・・・私も・・・大好きです///」 ガチャ 紬 「遅くなってごめんね、みんなー・・・えっ?」 律 「遅いぞームギー。もうちょっと早ければいいものが見れたのになー♪」ニヤニヤ 紬 「えっ?な、なにがあったのかしら・・・?」 澪 「ほら。唯、梓。自分達でムギに報告してあげろよ」 唯 「うん・・・えっとねムギちゃん・・・私とあずにゃんね・・・・・・」 梓?「お、お付き合いする事になりました・・・・・・///」 紬 「えっ!?そ、そうなの?素敵だわ、唯ちゃん梓ちゃん!おめでとう!」 ムギ先輩は嬉しそうに二人を祝福してくれているがどこか心ここにあらずといった感じだ。 その理由を私は知っている。 そしてそれは私にとって望んでいたことが遂に訪れたということでもある。 そう。ムギ先輩には私が見えているのだ。 部室に入ってきた瞬間、ふわふわと宙に浮いている私の方をチラリと見て、一瞬だが 驚いた顔をしていた。 ムギ先輩は純のようなエセとは違いホントに霊感の強い人なんだろうか・・・? しかし見えているだけでは心もとない。 私の声が聞こえていないと現状を報告することができないのだ。 ふわふわとムギ先輩に近寄り、耳元で話しかけてみた。 梓 『あの、ムギ先輩・・・私の声が聞こえていたらウインクしてもらってもいいですか?』 紬 「・・・・・・」パチリ やった!これでなんとかなる!・・・・・・かどうかはまだわからないか・・・私の姿が見えて いるからといってムギ先輩に元に戻る方法がわかるとも限らない。 しかし話を聞いてもらえる相手ができたということは充分に心強い。 梓 『すいませんが部活が終わった後、部室に残ってもらっていいでしょうか?』 紬 「・・・・・・」パチリ 二度目のウインク。OKということだろう。 こうなると今の私には部活が終わるのを待つことしかできない。 先輩方のお喋りに耳を傾けて待つことにした。 唯先輩と私の姿をした『誰か』の交際のお祝いと称したお茶会が始まった。 律 「しかし今日の梓はどうしたんだ?急に素直になったって感じだけど」 梓?「そ、そうですか?自分ではいつもと違うつもりはないんですけど・・・」 澪 「いや、そこは律の言うとおりだと思うぞ。まず唯に抱きつかれて抱きつき返すって ことがいつもの梓じゃ考えられないからな」 唯 「うん。それは私もびっくりしたよー・・・まあ嬉しかったけど」デヘヘ 梓?「うぅ・・・それは・・・き、昨日までの私がどうかしてたんです!これからは抱きつきたい時は 私から抱きつきますし、ちゃんと私からも好きっていいます!」 唯 「あ、あじゅにゃあーーん・・・・・・」グス 律 「はいはい梓、そのへんにしとけ。唯のやつまた泣いちゃうから」 澪 「二人とも・・・その・・・イ、イチャつくなとは言わないけど部活中はほどほどにな?」 紬 「はあ・・・私も見たかったなあ・・・二人の告白シーン・・・もうちょっと待っててくれたらよかったのに・・・」 いやいやムギ先輩違うんですよ? その告白はホントの私じゃないですから。 まあ後で説明しますけど。 そんなわけで今日の部活は終始唯先輩と私の姿をした『誰か』の話で持ち切りで 澪先輩ですら練習を始めようと言い出さなかった。 ―――――― 下校時刻が迫り今日の部活はそろそろ終了のようだ。 部室を出て行くとき唯先輩と私の姿をした『誰か』は手を繋いでいた。なんだか納得いかない。 この二人の後をつけたい気持ちもあったが私には他にやらなければいけない事がある。 ムギ先輩はほかの皆さんに上手いこと言って部室に残ってくれていた。 梓 『すいません、ムギ先輩残っていただいて・・・』 紬 「ううん?いいのよ、梓ちゃん。それよりおめでとう♪唯ちゃんと」 梓 『い、いえ。あれは私じゃないですから・・・』 ムギ先輩に今朝からの出来事を全て話した。 朝起きたら幽体離脱のような状態になっていたこと。 私の体には他の『誰か』が入っていること。 その『誰か』のする私の演技は完璧で、クラスメイト達は誰も気づかなかったこと。 唯先輩に対する態度だけがいつもの私とは違っていたが他の先輩方は気づくどころか 唯先輩と『誰か』がお付き合いする流れになってしまったこと。 そして今の私を見ることができたのはムギ先輩だけだということ。 梓 『ムギ先輩って霊感とか強い方なんですか?』 紬 「うーん、どうなのかしら?わりと他の人に見えないものが見えたりするけど あまり気にしないようにしてるから・・・」 これは相当なものじゃないだろうか。見えてしまうものを気にしないなんてかなり 上級者のような気がする。 梓 『で、どうなんでしょうか・・・どうやったら元に戻れるかとか・・・私の体に入ってるのが 誰なのかとか・・・わかりますか?』 紬 「うん・・・なんとなくわかるけど・・・・・・」 梓 『えっ!わかるんですか!?』 なんて話が早い。良かった。軽音部にムギ先輩がいてホントに良かった! 紬 「私のわかる範囲で話すけど・・・今、梓ちゃんの体に入っているのは間違いなく梓ちゃんよ」 梓 『・・・・・・へ?』 間抜けな声を出してしまう。 私の体に入っている『誰か』は・・・私? となると今ここにいる私は何者だということになる。 私のほうが・・・偽物・・・? 紬 「ううん。今ここにいる梓ちゃんも偽物なんかじゃないわ。上手く言えないけど・・・ あなたは梓ちゃんの魂の『一部』なんだと思う」 梓 『じゃ、じゃあ今日唯先輩と恋人同士になった、あちらの中野梓の方が本体ということですか・・・?』 紬 「うーん・・・どちらが本体かと言われれば肉体を持っちゃったあちらの梓ちゃんが本体と言えるかも しれないけど・・・・・・あ、梓ちゃん、神様になりたがった緑色の宇宙人さんのお話知ってる? 神様になるために悪の心を切り離したってお話。あれに近いと思ってくれればいいかな?」 梓 『私は悪の心なんですか・・・・・・』ズーン 紬 「あ、ご、ごめんなさい!言葉のあやよ。つまり目的達成のために不要な部分を切り離したってことね。 宇宙人さんは神様になるために、そして梓ちゃんは大切な人の気持ちに応えるため・・・」 梓 『うっ・・・・・・』 紬 「もうわかったわよね梓ちゃん?ここにいる今のあなたがどういう存在なのか」 梓 『私は・・・唯先輩に対して素直になれない、意地っ張りな中野梓・・・』 紬 「はい。良くできました♪」 梓 『そうだったんですか・・・じゃあ私はもう消えたほうがいいですよね・・・中野梓は目的を果たしたんだし・・・』 でも消えるといってもどうすればいいんだろう・・・ ムギ先輩が成仏させてくれるのかな? 紬 「なに言ってるの梓ちゃん!緑色の宇宙人さんのその後を知らないの?」 梓 『・・・・・・はい?』 紬 「二人に別れちゃった宇宙人さんは最後に一人に戻って最強になるのよ!」 その話は私も知っている。確か別れた悪の方の心が次第に改心していって元の一人に戻るのだ。 梓 『で、でも私が元に戻ったらせっかく両想いになった二人がまた私のせいで・・・』 紬 「梓ちゃんも改心しちゃえばいいのよ!」 梓 『・・・改心って・・・?』 紬 「唯ちゃんのこと、好きでしょう?」 梓 『!!』 そんな事は当然だ。私だって中野梓なんです。全ての中野梓は無条件に唯先輩のことが大好きなんです。 ・・・でも。 言えない。 そう、私は素直になれない意地っ張りのバカな中野梓。 好きだなんて、言えない。 紬 「このままだとこっちの梓ちゃんはずーっと唯ちゃんと目を合わすことも、お話しすることも 抱きしめてもらうこともできないのよ?」 ・・・嫌だ、そんなの。絶対に嫌だ。 梓 『わ、私は・・・』 紬 「うん、頑張って!」 梓 『私は・・・唯先輩が・・・・・・』 勇気を振り絞れ! 梓 『私は、唯先輩のことが・・・大好きですっ!!!』 唯 「ふぇっ!?あ、ありがとう、あずにゃん///私も大好きだよ!」 梓 「・・・へ?」 ここは・・・学校の帰り道にある公園・・・?ああ、そうか・・・唯先輩と恋人同士になって・・・ 律先輩と澪先輩とお別れしたあと、少し二人で公園でお話していこうという事になったんだった。 どうやら元に戻れたみたい・・・二つの記憶があるからちょっと混乱してるけど・・・ あ、ムギ先輩今部室で一人きりになっちゃってるんじゃ・・・後でお詫びとお礼の電話しなくちゃ。 唯 「嬉しいけど・・・急におっきい声だすからびっくりしたよー」 梓 「す、すすすいません・・・///」 ベンチに座った私は唯先輩にもたれかかるようにぴったりと寄り添っていた。 そう、さっきまでの私は唯先輩に対する気持ちを隠さない、素直な中野梓。 ベンチで唯先輩の隣りに座ればそりゃあぴったりとひっつくでしょう。 だが今の私は。 梓 「ち、近すぎですよ、唯先輩・・・///」グイグイ 唯先輩の体を押して、少し隙間を空けてしまう。 唯 「えぇーあずにゃんの方からひっついてきたクセにー」ブーブー うぅ・・・すいません・・・でも今の私にはこの密着した状態は無理なんです恥ずかしいです。 唯 「なんだか今日のあずにゃんは素直で積極的だったけど急に元に戻っちゃったみたいだねぇ」 梓 「!・・・・・・ごめんなさい・・・やっぱり素直な子のほうがいいですよね・・・」 ムギ先輩はああ言ったがやっぱり元に戻るべきではなかったのでは・・・ 少なくとも素直な中野梓の方は唯先輩に愛し愛され幸せになれたんじゃないだろうか。 唯 「んーん?素直で可愛いあずにゃんも、意地っ張りで拗ねちゃうあずにゃんも、 練習しますよーって怒るあずにゃんも全部、ぜーんぶ大好きだよ!!」 梓 「・・・・・・・・・」 唯 「・・・あずにゃん?」 梓 「・・・・・・グス・・・ヒック・・・う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」ボロボロ 唯 「あ、あずにゃん、どうしたの?泣かないで・・・」オロオロ 梓 「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」ボロボロボロ 唯先輩は私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれた。 よしよしと言って頭を撫でてくれた。 ・・・一人に戻った緑色の宇宙人はその後どうなったんだっけ? 幸せになれたんだっけ? あんまり覚えてないけど。 私には私の全てを愛してくれる人がいる。 私自身が不要だと思って切り捨てた部分でさえ。 幸せになれないわけがない。 いい話だった -- (鯖猫) 2013-04-23 23 56 48 まさかのDBネタ…まあ、よかったよ -- (名無しさん) 2013-04-26 12 28 27 ピッ●コロさんwww -- (ダメですぅ~) 2013-06-09 03 53 30 戻れてよかったね -- (名無しさん) 2014-04-26 13 36 50 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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とうこうされたSSのまとめです 女「トイレが詰まってから1週間が経ったな」 女「おはよう、男」 男「おは…ぶぉあ!何があった!?爆発か!?」 女「いや、実は昨日2週間ぶりに頭を洗い、今朝起きたらこうなっていて…」 男「…き、昨日までぴちっとしてたのは皮脂のおかげだったのか…」 女「やはり髪の毛など洗うものではないな」 男「…友にセットの仕方教えてもらえ」 女「男、デートをしよう」 男「まずはユニクロで着飾った服を辞めてから言え」 女「しまむらへ行くか……」 女「お茶でも飲むか?」 男「お、悪いなサンキュー」 女「おい、それは違うぞ」 男「へ?どう見てもお茶じゃ・・・」 女「私の一番搾りだ」 男「トイレに行こう、な!」 女「おひ、ほと……」 女「ごほん。おい、男」 男「なんだよ今の変な声は」 女「いや、声出すの久しぶりでな」 男「たまには外出ようぜ……」 男「こ、これはなんとゆう汚部屋!」 女「つうか、自分はダメクールってゆうか溜めクールっすからサーセンwwww」 男「( ゚д゚ )」 男「こっちくんな」 女「クール……何事にも動じない人のことを指すのだな?」 女「つまり、部屋が汚れていようが動じない…」 女「家事全般が出来なくても動じない」 女「仕事が見つからなくても動じない!」 女「これは素晴らしい……素晴らしい人生では無いか!!」 男「単なる開き直りじゃねーか…」 女「冬なんだから剃らなくても良いだろう?」 ちょこちょこ出てくる一行作品が巧くてよろし 女「私のありのままが肯定されているんだろう? 更生など不必要だ」 男「俺には怠けたいがための言い訳に聞こえるぞ」 男「女さ。小はペットボトルにしてるらしいが…お前、大の方はどうしてんだ?」 女「……さすがの私でもその質問は少しヒクぞ」 男「お前が言うな!!俺だってこんな質問したくねぇよ!!」 女「いくら何でも、そっちはちゃんとトイレに行っている」 男「(良かった…本当に良かった……)」 女「ただ、喉元過ぎれば熱さ忘れる、と言うかな」 男「ん…?」 女「出した後、流すのが面倒で」 男「うわああァあああアぁんッ!!」 女「じょ 冗談だ くびを しめるなッ」 女「えぢっし! ぅえじゃいふっ!」 男「……お前のくしゃみ、うちのおとんみたいだな」 女「ほぅ、それは奇遇。お父さんにはよろしく言っておいてくれ」 男「俺はオヤジくさいぞと暗に言ってるんだが」 女「そうだな、最近の女学生はオヤジ化が激しいらしい。 私も例に漏れなかったということか」 男「俺はだらしないところがそれとなく出てきちゃってるぞと暗に言ってるんだが」 女「これが私のアイデンティティなんだろう? 今さらどうこうしようとしても、スレ住人からブーイングを食らうだけだろう」 男「俺はそんなくしゃみしてるとお前の可愛らしさが台無しになってがっかりだと暗に言ってるんだが」 女「んなっ……!? な、な、そんな……えびきしゅっ!」 男「( A`)」 男(スレ住人……?) 女「このスレの住人もなかなかのダメ人間っぷりだな」 男(スレ住人……?) 女「さすがに明日のテスト落とすのは不味い……いい加減に勉強せねば……」 女「……5時46分か。何か半端だな。6時になるまでネトゲ続けるか」 女「ん、レアアイテムイベントか……参加するか」 男「で、気付いたら朝と」 女「そんなこともあったな。懐かしい話だ」 男「都合の悪いことはすぐ思い出フォルダにポイですか」 女「二兎追うやつ負け組プギャーという古事もある。私はレアアイテムという兎を追うことに専念したのだ」 男「留年の兎穴に落ちてもお前はアリスになれないんだからな……」 TV「最近、買い物袋をもらわないよう、『マイ買い物袋』を持参する動きが出てきています」 TV「それに合わせ、メーカー製のおしゃれな買い物袋も登場し……」 女「ふむ……」 店員「合計で、2167円頂戴いたします」 女「あ、袋は……」 店員「はい」 女「……2つに分けてくれ」 店員「かしこまりました」 女(次こそは……! 次こそは……!) 女(うぅ、キツい……半年ぶりに電車に乗ってみればギュウギュウだ……) ――むぎゅうぅ むぎゅぅ―― ――むぎゅ!―― 女(こッ、このピザ、足踏んだ……!) 女(ただでさえストレスたまるのに……このっ) 女(なぜいつまでも気付かないんだ……ピザゆえ……?) 女(くそっ、直接言ってわからせるしかない……!) 女(一言もの申してやる……もの申してやる……!) 女(次こそは……! 次こそは……!) 女「……」 男「お、何だそれ。マッサージチェア?買ったのか?」 女「ん、ああ」 男「どうだ、使い心地は」 女「使い心地はとても良いんだが……ときに男。一つ頼みがある」 男「ん?どうした?」 女「マッサージが一通り終わったんだが、もう一度スタートさせるのが面倒臭い…ちょっとこのスイッチ押してくれ」 男「(指一本動かすのも面倒だと言うのか…ッ!?)」 結論:餌を与えてはいけません 女友1「王道すぎて忘れてるでしょ、スマップ!」 女友2「バンドじゃないじゃんwwwww」 女「まあなんだかんだで、歌えば売れてる感じだな」 女友2「あたしはね、B’zの稲葉さんのヘソがね……」 女友1「オヤジなうえにエロいよwwww」 女「顔も細ければ腰も細い……人間じゃないかも知れないな」 女友1「ていうか歌の話しよーよwwwwwww」 女友2「女はどういうのが良いの?」 女(最近のお気に入りは熱帯JAZZ楽団とPYRAMID……) 女「EXILE……かな」 女友2「おー、ちゃんと歌の話だwwwwwww」 女友1「あたしEXILEアルバム全部持ってるよwwww」 女(次こそは……! 次こそは……!) 女「トイレに行きたい・・・だがめんどくさい・・・」 女「今日は男も来てないし・・・」 次の日 男「ちょっとこのお茶もらうわ」 女「あー」 ああだこうだ 男「お、もうこんな時間か……」 女「よく飽きもせず、一日中汚い部屋の中で過ごせたもんだな」 男「よく言うわwwwwさて、そろそろおいとまするよ」 女「明日は日曜だから、好きなだけ居てもらっても構わないんだぞ?」 男「や、気がついた時に腰上げないと、いつまでもズルズル居座っちゃうだろ?」 女「……」 男「ちょうど良いから、女も今日は早めに寝なよ」 女(私としては、いつまでもズルズル居座っていて欲しい……) 男「どれ、それじゃ……」 女「男」 男「ん?」 女「……カップ麺をいくつか持って帰るか? 男も帰ってすぐ寝るわけじゃないだろ?」 男「珍しい風の吹き回しだなw ありがたい、もらうよ」 女「なんなら女特製ペットボトル入りアバ茶も付けるぞ」 男「そ れ は な い」 女「ジョークだよ。別段目覚めたりはしてない」 男「余計なことを言わなければ疑われないものを……」 女「男! ……寒いから、気をつけて」 男「うん、女もな」 女(次こそは……! 次こそは……!) 言えないダメなクールさんシリーズ、完。お粗末様でした。 【電池】 女「男、そこのリモコンをとってくれ」 男「ちぃったぁ動けよ……はいよ」 女「……む?」 カチカチ… 男「あ、電池切れか?」 女「むむ……」 ぎゅー… 男「いや、強く押しても無理だって……」 女「ふむ」 パカ! 男「?」 ゴロゴロ… カチッ! 女「これでよし」 男「あ?転がしただけじゃ――」 カチ!ピッ! 男「!え、あ、点いた?」 女「ふふ、私を舐めるな。電池がなくなった時の対処法など、もう5年も前に 開発しているわ。こうやってな、転がすと――」 男「買いに行けよ」 女「……それは……めんど――」 男「いいよ。行ってくるよ……そのうち太るぞお前……」 【夫婦】 女「男、おはよう」 男「ん?おはよ。ごはんできてるから、顔洗って来い」 女「めどい」 男「わかったよ。洗ってやる」 女「あーん」 男「はいはい……」 女「もぐもぐ……ん、腕を上げたな?」 男「そっか?そう言ってもらえれば嬉しいよ」 女「うむ。それじゃネトゲするぞ」 男「はい。昼ごはんはそこの机に、電子レンジで温めて食えよ?俺が仕事から 戻ってきたら晩御飯な?」 女「うん。ハンバーグが食べたい」 男「わかった。じゃあ行ってくる」 ちゅ! 女「――っていう夢を見たぞ」 男「……涙出てきた……」 男「あ゛ー昨日のマラソン大会で筋肉痛だわー」 女「男子たるものがだらしのない。私を見習え」 男「普段ほとんど外にも出ないくせに体はしっかりしてんだな・・・」 次の日 男「どうした?また遅刻か」 女「ぐっ、不覚だ・・・!まさか筋肉痛が二日遅れで来るものだとは・・・っ」 男「お前はおっちゃんか」 ダメクールと相良宗介のコラボレーション 女「こんばんは、相良。」 相良「む…」 女「カップ麺があるが食べるか?」 相良「いただこう」 女「あ、お湯がない…。沸かすのめんどくさいし…このまま食べちゃえ」 相良「女。カップ麺とやらはこの固い麺をかじるのか?」 女「そうだ。この粉をかけて食べる。…ふむ、この食べ方はいいな」 相良「(ポリポリ)む…美味いな。だが少し味が濃いような」 女「こんなものだ。…って相良、何してる?」 相良「いや、この部屋の乱雑さは敵の侵入を妨げるよう散らかしてあるのだろう?進路を妨害するように配置を変えようとおもってな。」 女「さすが私だ。」 相良「うむ、さすが女だ。外で敵と遭遇しないために拠点に立て篭る選択も悪くない」 女「相良もそうすればいい。外よりは安全だぞ」 相良「検討しよう…と言いたいが千鳥が怒るのでそれはできない」 千鳥 男「何かシュールだ…」 二人でテレビ観賞 TV「実録!働かない若者達~」 ニート「働いたら負けかなと思ってる」 女「まったく・・・最低限の義務も果たさずに権利のみを主張する。 現代社会にはびこる寄生虫だな」 男(せめてこいつにも『自覚』ってもんがあれば・・・) 男「お前そろそろテスト勉強しないと本気でヤバいよ」 女「いや……私は勉強しないことで皆の役に立ちたいんだ」 男「おう、平均点を下げるとかじゃないよな?」 女「私が勉強しないと、当然私は酷い点を取る。最悪留年するだろう」 男「最悪っていうか、ストレートに留年するぞ、このままだと」 女「そんな悲惨な状況にある私を見て、クラスの皆はこう思うはずだ。『ああ、あんな風にならないよう頑張ろう』。そして輪を掛けて必死で勉強するようになるだろう つまり私は己の身をていして、皆の成績向上に貢献しようとしてるんだ…… だから私は、あえて勉強しないんだ。立派だろう?」 男「……逆にお前が猛勉強して学年首位になっても、皆お前目指して頑張ろうって気になるんじゃね? ポジティブな気分で」 女「よし、蜜柑食べようか」 男「本当の所は勉強したくないだけなんだろ」 女「……まぁ、そういう説もある」 男「諦めて勉強しなさい」 女「(´・ω・`)」 前 次
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とうこうされたSS 男「お前そろそろテスト勉強しないと本気でヤバいよ」 女「いや……私は勉強しないことで皆の役に立ちたいんだ」 男「おう、平均点を下げるとかじゃないよな?」 女「私が勉強しないと、当然私は酷い点を取る。最悪留年するだろう」 男「最悪っていうか、ストレートに留年するぞ、このままだと」 女「そんな悲惨な状況にある私を見て、クラスの皆はこう思うはずだ。『ああ、あんな風にならないよう頑張ろう』。そして輪を掛けて必死で勉強するようになるだろう つまり私は己の身をていして、皆の成績向上に貢献しようとしてるんだ…… だから私は、あえて勉強しないんだ。立派だろう?」 男「……逆にお前が猛勉強して学年首位になっても、皆お前目指して頑張ろうって気になるんじゃね? ポジティブな気分で」 女「よし、蜜柑食べようか」 男「本当の所は勉強したくないだけなんだろ」 女「……まぁ、そういう説もある」 男「諦めて勉強しなさい」 女「(´・ω・`)」 女「勉強?なに、明日のテストまで後15時間もある」 女「まずは机の整理から始めるか……」 女「ん? こんなところに懐かしい漫画が……」 【燃え~】 女「男」 男「なんだ?」 女「すごいことを言ってやろう」 男「??なんだよ?」 女「家が燃えた」 男「……は?」 女「いやな、だから燃えた。ごみの山から出火してな……あいにく一人暮らしで ほかの住人も居なかったし、すぐに消えたので被害は小さい」 男「!!?お、おまっ!?ええっ!?」 女「しかしな……アパートを追い出された……」 男「あ、当たり前だろ!だからあれほど片付けろっつったろうが!バカ!ほんっとバカだよお前!!」 女「…」 男「どこまでだめなんだよお前!?学校は!?制服は!?どうすんだよ!」 女「……もう……どうすればいいかわからん……」 男「……住むあては?」 女「あるわけないだろう……実家にも帰れん……私は……なにもかも失った……」 男「…」 女「……ひっく……うぅ……」 男「ほら、行くぞ」 女「……え?」 男「いろいろ説教したいけど、とりあえず俺の家に行ってからだ。ほら、早く行くぞ!バカ!ダメ女!!」 女「え?え?あ……」 男「死ななかっただけよかったと思えよ!?ほんっと心配ばっかかけやがって!ほら!行ーくーぞ!」 女「……はい……ぐすん……」 夏休み明け 男「女ー、どうせ一人じゃ学校行かないだろうから、迎えに来てやったぞー」 女「全くいいおせっかいだ・・・・。ちょっと待っていろ。支度する」 ガチャッ 男「よーおはよー」 女「おはよう。・・・くっ、二ヶ月ぶりのお天道様か」 ピリリリリリ… 男「ん、女か。…もしもし」 女『男、すまないが私の家に来るならケーキを買ってきてくれ』 男「おいおい、いつ俺がおまえんちにいk」 女『お願いだ。何か甘いものを食べないと死んでしまう・・・うぅう…』 男「……はいはいわかったよ。ったく…」 女『モンブランがいいな。あ、あとすまんが牛乳もお願いしたい。愛してるぞ、男』 男「……」 男「ほら、買ってきたぞ…ぬっふ!(以前にもましてすっぱい匂いが…)」 女「おお、助かった。恩に着るぞ。」 カチャカチャ…もふもふ 男「じぃー…」 女「…ん?どうした」 男「…お前、太っただろ」 女「なぬ?」 女「最近・・・こないんだ」 男「?こないって、へっ・・・・ええええ!!!!で、でもちゃんと避にn」 女「こないんだ・・・ギルマスが」 男「ネトゲか!」 女「まずい・・・カード破産の危機だ」 男「えぇぇぇ!お前みたいのがカード持っちゃ駄目だろ・・・どうすんだよ」 女「もう貯金も底をついた。なかなか当たらないものだな・・・レアカードというものは」 男「トレカか!」 女「馬鹿な。わたしはもともと太らない体質で…」 男「じゃあこれはなんだよこれは」 女「んっ!……いたい、くすぐったい…わき腹をつまむな。」 男「まったく…こういう不摂生な生活を送ってるからこうなるんだぞ」 女「(なんてことを言う…。さすがのわたしも少し傷ついたぞ…。…そうだ、だいたい 男がわたしに優しくしすぎるから甘えてしまって…)」 男「ふう、だからさ、いっしょについててやるから、ちょっとダイエットしような」 女「(め、めんどくさい…)…わかった」 男「よし、いい子だ」 女「…けどこのモンブランは別だよな。明日からはちゃんとダイエットするからな」 男「……(うわー、すごい名残惜しそうに食ってるよ…。だめだな、これは)」 女「うん、今日で最後、明日から明日から」 男「うわ!ど、どうしたんだよ、お前が日焼けしているなんて」 女「うむ、ちょっと有明の方までな」 男「有明・・・?海にでも行ったのか?」 女「いや、東京国際展示場だ」 男「コミケ焼けですか・・・」 女「明日から明日から」 男「…明日卒業式だぞ?」 女「(´・ω・`)」 女「男か?ついでにドンキでマジックハンド買ってきてくれ」 男「学校で携帯充電すんのやめろって・・・」 女「やはりこの漫画は面白い……アニメ化されるだけはあるな」 女「まだテストまで12時間ある。余裕だな。よし、ようつべでちょっとアニメ版を見てみるか……」 女「面白かったな、ん?作中作までアニメになっているのか、これを見ない手はないな」 数時間後 チュンチュン… グーグー 女「…っは、朝か」 女時計を見る 女「…まあ今更やっても遅いだろうしこのまま時間いっぱいまで寝てしまおう」 男「よう、来たぞー。」 女「………」 男「女?寝てるのか?」 女「………」 男「お、おい…どうしたんだよ。」 女「………」 男「おんなぁぁぁぁああああああああ!!」 女「…ぁ…お、男、か…」 男「ど、どうしたんだよ、こんなにやつれちまって…あれから3日しか経ってないのに…」 女「ぅ…お、男に…嫌われたくなくて、な…。ダイエット…し…て…」 男「ま、まさか…この3日間何も食ってなかったのか!?」 女「…コクリ」 男「おまっ………ちょっと待ってろ。すぐ、何か作るからな!」 女「す、すま…ない…」 男「ほら、いますぐ食え」 女「ぁあぁ…たまごぞうすい…ありがとう…お前は命の恩人だ……いただきます… ハムッ、ハフッ、ハフッ!…ゲフッゲフッ!」 男「もうちょい落ち着いて食え」 男「お前、今日の晩飯もまた・・・」 女「カップラーメンだ」 男「ったく・・・俺が飯作ってやるわ。スーパー寄ってくぞ」 女「すまないな、また」 男「ま、もう慣れっこさ」 女「文武両道、炊事洗濯も完璧。お前が身近にいると、異性の理想が高くなってしまうな。ふふ」 男(お前が身近にいると、どんな女でも仲良くなれそうだわ・・・) 女「男、株に手をだ――-」 男「ネオNEETになるから辞めとけ」 女「男、人参は入れるなと言っただろう。これで何度目だ」 男「てめえ・・・」 女「ごちそうさま」 男「…1分と12秒…お前はギャル曽根か」 女「ふぅ、わたしは幸せだ」 男「…ダイエットってのは絶食じゃないんだ。死んだら元も子もない。 頼むから心配掛けさせるな。」 女「…わたしなりに頑張ってみたんだがな。初日はネトゲーのおかげで空腹 であることにも気がつかずに済んだんだ。しかし2日目の夜中に、 やつは襲ってきた。おぞましい……」 男「ああ、今わかった。お前頑張りの指針がちょっとぶっ飛んでるんだね」 女「お前は他人の意見に耳を傾けすぎだ。一人でも生きていける強さを持つがいい」 男「お前はもうちょっと俺の意見聞いてくれ。俺なしでも生きていける強さを持ってくれ」 男「お前の服って濃いめの色が多いよな」 女「ああ、薄い色だとすぐに黄ばんでしまうからな」 男「…」 女「まったく・・・これがゆとり世代という奴らか・・・」 男「いや・・・その・・・俺たちもゆとり世代なんだ・・・」 女「バカな、私は円周率3.14と教わったはずだ・・・」 男「例え世代が違っても、お前は間違いなくゆとりを持ちすぎだ」 男「しかしゆとり世代か……。それだけで馬鹿にされんのも何か癪だな」 女「ゆとり世代であろうとなかろうと、その人の本質には全く関係ないというのにな」 男「珍しく良いこと言うな。見直したぜ」 女「そう、私が良い例だ。どちらにせよ私は、ろくに学校にも行かずネトゲにはまって昼夜逆転どころか昼か夜かも分からない部屋に篭り男に世話してもらって何とか生き伸びるような毎日を送っているに違いないのだからな」 男「うん、全力で前言撤回するわ……」 良く分からんがひとつ 男「…」 女「…?どうした、私のみりきにメロメロか?」 男「お前何日前に風呂に入った?」 女「確か一週間前と…」 男「ふむ」 女「先週言った」 男「入れ人間の底辺」 男「無理矢理銭湯に引きずってったが……何時間入れば気が済む…」 ?「さっきから居るぞ。湯冷めするくらいな」 男「…………どちらさまですか?」 女「酷いではないか、男よ。私だ」 男「beforeとafterが変わり過ぎだろぉぉぉぉ!!」 女「銭湯は親切だな」 男「何がだ?」 女「まさか入浴中に給水できるとは…」 男「……そいつは湯船にあったか?」 女「うむ。腹一杯飲んできた」 男「そいつは温度が高い時に冷ますやつだよバカ…………」 男「お前は俺が来れなくなったりしたらどうするつもりだよ?」 女「それは困る」 男「それなら困らないように自立しろよ」 女「嫌だ」 男「なんでだよ・・・・」 女「だって男が世話しに来てくれなくなるじゃないか」 男「おい!早くしろよ、遅刻するぞ!」 女「私にかまわず先に行ってくれ。男まで遅刻してしまうぞ」 男「お前も走れば間に合うだろうが。すこしはやる気を出してくれ」 悠長に歩く女の手を必死に引っ張る男 女「そうだ。いい案を思いついたぞ男。明日からローラースケートを履いてこよう」 男(俺が引っ張っていくこと前提で考えてるなコイツ) 女「トイレットペーパー代えるの面倒だな………ま、いいか」 女「お、チーズになってる。」 女「納豆は元々腐っているから平気だ」 女「ニートの何処がダメなんだ?」 女「ふむ、まだヨーグルトか」 男「今、『まだ』っつったか?」 女「私にも肩書きができたようだが、ニートってなんだ?」 男「たとえお前がニートだろうと、俺はお前をニードだよ」 男「これは・・・化石!?」 男「なぁ、この汚汁パックなに?」 女「漬物だ」 女「おはよう」 男「おはよ・・・ちょおま、もしかしてYシャツの下・・・ノ、ノーブラか!?」 女「ん?そうだが?」 男(透けそで透けない乳首に興奮すべきか・・・恥じらいのなさに萎えるべきか・・・) 女「もっと世の中から仕事が減ればいいと思うのだよ」 男「いきなりどうした?」女「いやな、そうすれば必然的にNEETが増えるだろう?そうなれば別に働かずに毎日だらけていてもそれが普通になるわけだ?」 男「仮にそうなったとしてお前の生活費はどこから出てくる?」 女「それは男が養ってくr…」 男「とりあえずその他力本願な考え方は辞めような?」 前 次
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ここはゴロネコ藩国の市街地が一望できる丘… 藩国では近代発展が進んできている。しかし、発展による森の衰退…環境問題が問題視されていた。丘の所で活気づいている市街地を見ている面子がいた… 「……活気づいてるか…」 「良いことなんだろうけど…」 連日の政策会議で寝不足気味のウルと武田二人。 武田「藩王さんと摂政さんはほとんど寝てないらしいっす…」 ウル「……藩王様と摂政さんが頑張ってるんだから、僕らもちゃんと支えないとね」 王宮では対策会議で夜遅くまで会議を続け、無いときは各自自主的に発展してる藩国内を治安悪化防止の為見回りや、休憩を取っている。見回りの成果もあり騒ぎは起きていない。 今回二人は不法に伐採をしている業者がいると、藩国内に散らばっている忍者達の報を受け警戒、丘で伏兵の形で待ち伏せしている。 「…来たぞ」 「人数は?」 「7…8と…」 「後方はアムさん達忍者部隊に…」 伏せていた忍者達と連絡を取り合い、準備万端。 武田「いくか…」 ウル「ここで何してるのですか?ここから先は環境保護区ですよ…?」 業者「あ、……その……」アム「……(右手を上げる)」 優しく話し掛けたウル、アムは右手で合図をし他の忍者に退路を封鎖させた。 武田「目立たないように徒歩でくる…」 業者「ご…ごめんなさい…」 ウル「忍者さん達が頑張った結果だよ…元も取れてるから…。」 武田「…」 業者「……」 落胆した業者。 アム「貴殿らには警察立ち会いの元、取り調べを受けてもらう…」 ウル「然るべき処置はその後に…(忍者達を見る)お願いします。」 忍者「では、こちらへ」 ガックリした様子で、忍者達に王宮に連れていかれる不法業者達。その背を見てしょんぼりする面々… アム「下にあった牛車と馬車は確保したでござる」 武田「近代発展しても心まではまだ追い付いてないのかもっす…」 ウル「やらなくなるまで根気よく誠意ある態度で取り締まろう。」 武田「人は城人は石垣人は堀情けは味方仇は敵なり…人の和こそ最大の城っす。」 アム「Σ武田熱あるのか?」 ウル「Σ武田が武田を語った!」 武田「誉められてる?」 一人の忍者が近づいてきた。 忍者「…お三人方、撤収準備できました。」 ウル「了解。」 アム「忍者諸君お疲れさまでござる。いったん王宮に戻ろう。」 武田「他のみんなは?」 忍者「駅、学校、市街地、観光地、重要施設に散らばり見回りをしています。なお、市街地、観光地では民間の消防団が見回りを手伝ってくれてます…」 アム「おお、ありがたいでござる…」 忍者「僭越ながら提案が…」 ウル「はい。」 忍者「ありがとうございます。王宮に戻られたら少し横になられたほうが良いかと…」 武田「…おう。」 忍者「おお、よかった。」 武田は歩きだした。 ウル「Σちょっ!たけ…」 アム「了解した。取り調べのさいは拙者かつくでござる。」 忍者「はっ!」 ウル「(アムさん…)」 忍者達は風のように去っていった。 アム「とりあえず、上の者が休まねば忍者さん達も心安らかに休めないでござる」 ウル「あ、そっか…気をつかってもらって…(しょんぼり)」 アム「藩王様と摂政さん達にも横になるよう言ってみるでござる。」 ウル「しかし…上の人が奮起してるの見てついてく人も奮起するってのありますけど、逆もありますね…」 アム「休むのも仕事でござるよ(笑)」 そう言うと、アムはジャンプして木に上った。 アム「先に戻るでござるよ~」 ウル「Σわっ!まってー」 藩国では近代発展しつつ、森を守ろうと頑張っている。その願いと想いはいつの日か叶うだろう…。 文 武田”大納言”義久
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戻る 執事だからしょうがないんだろうけど律以外の扱いに耐えられなくてp.5で切った -- (名無しさん) 2011-03-23 22 57 15 こういう話が大丈夫な人には面白い!爆笑したよ。 -- (通りすがり) 2011-03-23 23 03 21 ↓×2 好みが人それぞれだということはわかってるようでありがたいが、できればそういうコメントもしないほうがよかったかもな -- (名無しさん) 2011-03-23 23 25 48 澪これぼっちってかぼっちとして弄られるタイプの人気者でしょ てか律はこういうのだとまともな役になる可能性高いよな 律と澪のコンビが軽音部の良心だな -- (名無しさん) 2011-03-24 00 09 53 憂「お姉ちゃんもいつもオナニーするとき網戸に飛んでくる虫食べてるから、やっぱり虫が食べたいのかなって」←ガチで二度見しちまったじゃねーかwwww -- (名無しさん) 2011-03-24 01 07 58 あれ?なんか後半清々しいよ? 梓が可愛く見えてきたよ? -- (名無しさん) 2011-03-24 01 46 06 このあずにゃんは虫好きだけど思考的にはわりとまともだから結構好感もてるな。 というか他の面子が濃い分あずにゃんが普通に見える… -- (名無しさん) 2011-03-24 02 22 20 律と澪が軽音部の最後の砦だなwww二人までぶっ壊れてたらどんな話になったのか… -- (名無しさん) 2011-03-24 07 40 26 滅茶苦茶面白いなコレ すらすら読めるし -- (名無しさん) 2011-03-26 11 54 48 唯先輩が可愛すぎて読むと泣きたい気持ちになる… -- (名無しさん) 2011-03-27 01 36 42 唯ちゃんが変態通り越して別の何かに -- (名無しさん) 2011-03-30 22 00 19 これは面白い -- (なぐも) 2011-04-12 21 39 34 梓「や…やってやるです///」 っしゃあああああああ!! -- (とある学生の百合信者) 2011-04-18 23 30 19 カオス・変態唯・昆虫が苦手な人にはオススメできないけどすごく面白い。 梓の成長や、先輩それぞれとの絆がよく書けてる。 野沢菜系が好きな人は楽しめるかも。 -- (名無しさん) 2011-07-26 16 55 14 憂の言動でいちいち吹くwww -- (名無しさん) 2011-07-31 22 11 26 二次元キャラは狂えば狂うほど可愛くみえるな -- (名無しさん) 2011-08-01 00 29 06 意外に爽やかだな -- (名無しさん) 2012-10-07 10 27 51 これ面白いよな -- (名無しさん) 2012-10-07 14 58 34 久しぶりに読んだけどやっぱり面白い。 野良にゃんと同じ空気を感じるかな。 -- (名無しさん) 2012-10-08 22 31 09 これは昆虫好きを称したただのキチg…いや何でもない‼ -- (あずキャット) 2012-10-09 20 54 36 やっぱおもしれえ〜。虫好きだけどレベルが違うわ。 -- (通りすがり) 2012-10-15 12 59 08 キチガイは何周しても、キチガイだという事を知りました。 -- (名無しさん) 2013-01-11 01 19 04 唯は自業自得。紬もRECしてたりするからまだわかるけど澪の扱いがひどいなwww何もしてないのになんで嫌われてるんだww -- (名無しさん) 2013-01-13 11 03 51 唯アンチ澪厨乙↓ -- (名無しさん) 2013-06-29 09 04 14 唯おかしいだろ… -- (名無しさん) 2013-08-06 00 10 05 マジキチだけど唯梓が見られてよかった(白目) -- (名無しさん) 2020-04-23 23 04 09
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希望崎SS 『ミズを使いすぎるな』 【岸間直嶺プロローグ「リボン」】 大矢モニアプロローグSS『イミテイション』 『私の居るない場所』 無題 死にたい人にお薦めの危険な学校鳥取砂丘高校 上毛茜プロローグSS 『ミズを使いすぎるな』 「水が鳥取に無い!おれのところに回ってこない!昨日おれは理由を知った!希望崎の水使いの奴が!水を使い過ぎる!」 「マワッテコナイ!ミズガコナイ!」 「コナイ!コナイ!ミズガコナイ!」 「ミズを使いすぎるな!」 「ミズを使いすぎるな!」 「ミズを、使いすぎるな!」 【岸間直嶺プロローグ「リボン」】 あの日、たまたま俺の鞄の中に入っていた黒いリボン。 あの日、君に渡すはずだった忘れ物。 何もかもが津波に流されて、手の中に残った物は一本のリボンだけだった。 長く伸びた髪を後ろで束ねて、君のリボンでひとつに束ねる。 一目見れば女物と判るが、幸い希望崎にはもっと珍妙な奴は山ほど居る。 ちょっとした服装倒錯にも寛容な、この学園の空気は割と気に入っている。 ああ。俺は過去に縛られている。 取り返しのつかないことを嘆いても意味がないことは知っている。 世界を呪って。魔人となって。暴れ回った愚かなフェイズはもう終了した。 だが、過去を切り離し、君を忘れてしまえる程ドライになれるわけもない。 だから、俺は伝える。 津波の恐怖を。無慈悲な破滅の奔流を。災害への備えの大切さを。 そして、俺の《緊急小津波警報》が誰かの命を救うきっかけになったなら。 君の死も、結果としてプラスになるんじゃないかと思う。 このリボンは、未練ではなく“誓い”なんだ。 そんなわけで、可愛い子がいたら、遠慮なくまた恋するつもりだから悪く思うなよ。 いや、実はもう、ちょっと気になる奴はいるんだ。 そいつは―― 大矢モニアプロローグSS『イミテイション』 その日、兄さんは死んだ。 そもそもの原因は私がプールで溺れてしまったことだった。 自分の不注意が原因だった。両親からもあそこは危険だから近づくなと言われていたのに。 プールサイドにいた兄は私を助けようとして、プールに飛び込んだ。 だがその結果、今度は兄が溺れてしまったのだ。 私があんなことをしなければ兄は今もそこにいたのに。 家に戻ったあともみなが自分を責めているようで辛かった。 大矢コンツェルンの後継者である兄よりも自分が死ねばよかったと言われているようで。 けれどきっとそれはただの被害妄想だったのだ。 家族は私に優しかったのだから。でも、私にはその優しさが辛くて―― だから私は長く伸ばしていた髪を切った。言葉遣いも変えた。服装も部屋も何もかもすべて変えてしまった。 兄さんになりたかった。 自分のせいで死んでしまった兄さんになって自分を殺してしまいたかった。 けれど、そんなことはできないと僕はわかっていたのだ―― ―――― 「夢か…」 窓から差し込む光を浴びて、大矢モニアは目を覚ました。 今もあの頃のことは夢に見る。何度も繰り返される悪夢。 忘れてしまうことなどできない。 大切な兄を自分のせいで殺してしまったのだから。 「そろそろ学校の準備の時間だな」 時計を確認し、パジャマを脱ぐと、クローゼットの中から学生服を取り出しそれに着替える。 男性的な服装に男性的な口調。 それはあの日から続けてきた習慣。兄になりたくて。 けれど、それはただの偽物に過ぎない。そんなことは自分でもわかっていた。 でもすでに身体に染み付いてしまった。 今更変えられないだろう。 イミテーションゴールド。 他者のコピーを生み出す彼女の魔人能力。 だが、それはすべてを完璧には再現できない不完全なコピー。 まるで兄になりたくて、決してそうはなれない自分自身のようだと思う。 着替えが終わり部屋を出ると用意された食事を取り、いつものようにその日も学校に向かった。 『私の居るない場所』 遠くに行きたいな どこか遠くに行きたいな 私はここに居るけれど ここに私は居ない みんなのために何かをするのは好きだけど 自分のために何かをするのはちょっと苦手なの だからみんなの間に私は居るけど 私はどこにも居ないんだ ここは私の居るない場所 私をどこか遠くに連れてってくれる不思議なちからが溢れてる どこに行くのかな ちょっと怖いな でもみんなのためならば私は飛べる気がする ……みんなのため? 自分がやりたいことのはずなのに みんなのせいにしなきゃ何もできやしない やっぱり私はどこにも居ない 無題 ハルマゲドンに関しては俺も動く 抗議デモだよ 具体的には普段はいがみ合ってる各希望崎陣営と連絡を取り合い、短期の新希望崎を発足した 自分でも驚いたが、豪華なメンバーが集まった 当学園最大水使いのリーダー、幹部3人 水使いではないが最大派閥のNo2、No3 学園では有名な、小学生以来一度も喫煙したことがないというヘビースモーカー 戦闘部隊が四十四人いる上毛衆の一員 アキカン辞めて中二力カンストした奴 他に挙げたらきりが無いが、そうそうたるメンバーで総勢20人を超えた 狩れない鳥取はもはやいないだろうという最強集団だ ソロでShimaneを狩った奴もいる。 学園ではスズハラ機関、アキビン、斧部(俺含む)、一家などの超一流だ なによりも強いのは、全員鳥取でのハルマゲドンをぶっ通しで何日も可能だ。 リアル予定が・・・なんて奴は一人もいない はっきり言って、俺らが声を掛ければ学園のJKは半数以上が動くだろう 四天王の連中はらくだ、砂エルフにも顔が利く。奴らの中にもバンされた奴はいうだろう 協力して全員でハルマゲドンしたらさすがに黙ってられないだろう ちょっと顔なじみのGKに話つけてくるわ 死にたい人にお薦めの危険な学校鳥取砂丘高校 •らくだ上がりの8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の20人に襲われた •ユースから徒歩1分の路上で穴洗がおしりから目をだして倒れていた •足元がぐにゃりとしたのでござをめくってみるとサボテンが転がっていた •眼鏡をした旅行者が襲撃され、目が覚めたら眼鏡が破壊されていた •砂泳で旅行者に突っ込んで倒れた、というか泳いだ後から荷物とかを強奪する •宿がニャン崎さんに襲撃され、女も「男も」全員猫にされた •タクシーからショッピングセンターまでの10mの間にメカワームに襲われた。 •バスに乗れば安全だろうと思ったら、バスの乗客が全員魔人蟻だった •魔人の1/3が八百長経験者。しかも接触者が金回りがよくなったという都市伝説から「貧乏人ほど危ない」 •「そんな危険なわけがない」といって出て行った旅行者が5分後キノコまみれで戻ってきた •「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行った旅行者が大切な想い出を盗まれ下着で戻ってきた •最近流行っている役は「門から手を出す役」 金属釘バットを手に持って悪党に殴りかかるから •鳥取砂丘高校から半径200mは人外にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味 •鳥取砂丘高校における亀甲縛りによる死亡者は1日平均120人、うち約20人が外国人旅行者。 上毛茜プロローグSS 20XX年某月某日。 都内に位置する私立希望崎学園は、その面積の大半を砂漠地帯が占める鳥取に転送された。原因は不明。 当時学園内に居た生徒も転送に巻き込まれる。 その中には潜入捜査をするために希望崎高校に入学していたグンマー人、上毛茜も含まれていた。 ◇◇◇ 「喉乾いたなぁ……」 「こっちに飛ばされる前は蛇口を捻れば水が飲めたのにね」 「まぁ砂丘学園が厚意で水を分けてくれてるんだし、そう文句をいうなって。」 希望崎の生徒達の何気ない会話。 ここ数日の取り留めのない話の中には、現状への不満が混ざることも多かった。 「……その水なんだけど、鳥取の人達水の配給をケチってるって噂があるみたいだよ?」 そっと。事実無根の噂を流す。 無論こんな程度の低い嘘をついた所で本気で信じられるとは思ってない。ただ、少しでも彼らの不満に指向性を持たせることができればいい。すなわち、現状に対する不満を砂丘高校に対する不満へとすり替えるのだ。 「マジでー? 鳥取の奴ら、どうもきな臭いと思ってたんだよなぁ。」 「私たちがこっちに来てから、あっちはしばらく水の配給について揉めてたみたいだもんね。」 「いや、彼らだって生活が掛かってるんだからそれはしょうがないんじゃないかなぁ」 やり場のない負の感情を持て余している時、明確な捌け口を求めるのは至極当然な心理である。特に、現在の様な非常事態であればそういった心理はより一層強く働く。 仲間たちの反応は茜にとっておおよそ想定通りの感触だった。 この調子で少しずつ、少しずつ希望崎学園の生徒の鳥取砂丘高校に対するヘイトを増やしていければ。 ――――希望崎学園VS鳥取砂丘高校のハルマゲドンを引き起こせるかも知れない。 そんな企みを心の内に隠し、人懐っこい笑みを浮かべて会話を続ける。 ……心の何処かで微かな罪悪感が生じ始めていることに気づかないふりをしながら。 ◇◇◇ 希望崎学園が転移してから、茜が真っ先にやろうとしたことは上毛衆の隊長への連絡だった。 上毛歌留多を持っている者同士でのみ会話できる、呪符を媒体とした通信で連絡をとった。 【※ここから先の一連の会話はグンマー独自の言語で話されますが、理解できる人はいないと思われるので日本語に翻訳して書かれています】 『ハルマゲドンだ』 現状を伝えると、隊長はしばらく考えるような間があった後そう呟いた。 「ハルマゲドン、というと希望崎学園でよく行われる魔人闘争ですか?」 『然り。鳥取砂丘高校と希望崎学園を対立させ、ハルマゲドンを引き起こすのだ』 「……しかし希望崎学園に手を出すのはまだ早いと、この間の定例会議で決めたはずでは?」 『それは我々が直接希望崎に侵攻するかどうかの話だ。砂丘高校と希望崎が争えば、我々の手を汚さずして希望崎を潰せるかもしれん。絶好のチャンスだ。』 「でも……!」 『くどい。それとも何だ、貴様が単騎で希望崎を滅ぼしてくれるというのか?』 「それは……」 『不可能だろうな。希望崎を叩くなら機会は物資が足りず弱体化している今しかない。奴らは戦力として非常に危険だ。しかし残念ながら上毛衆から援軍を出すことは出来そうにない。皆それぞれの任務で忙しいし、鳥取の奥地となると遠すぎる。だからこそのハルマゲドンだ。これなら貴様一人でも希望崎を貶められる可能性は高いだろう。』 できれば、共に過ごした仲間を地獄へ落とすような真似はしたくない。 ゆっくりと言葉を選び、隊長の説得に掛かるが……。 「その希望崎の危険性ですが、あくまでグンマーの近隣地域にあったが故に危険視されていたはず。鳥取に飛ばされた今ならば、それほど脅威ではないのでは?」 『確か原因不明の転移なのだろう? もし何かの拍子に関東に戻ってきたらどうする。物資は補給され、希望崎は万全の状態となり、再びグンマーの身近に位置する脅威となるだろう。そうなる前に叩いて置かねばならん。何か文句はあるか?』 「……いえ」 (駄目だ。恐らく、何を言おうが隊長は意見を変えたりしないだろう……) 『これは命令だ。ハルマゲドンを引き起こせ。成功すればそれなりに報酬は弾んでやろう。』 「……かしこまりました」 通信が切れた。 (やるしかないのか……) ――援軍は来ない。潜入している学校でハルマゲドンを起こす。 この作戦には大きなリスクがある。 それは、扇動する本人がハルマゲドンに巻き込まれる可能性だ。直接戦闘に参加しなくても、そもそもの目的である「希望崎の負け」が決定すれば水の供給が断たれ茜は他の生徒と共に野垂れ死ぬ。 隊長は頭は固いが、決して馬鹿ではない。そういった事態も予想済みだろう。 つまり、茜は使い捨ての駒扱いをされたというわけだ。 この任務は希望崎の生徒達にとっても、茜本人にとっても得にならない。 暗鬱な思いを抱きながら、茜は任務に取りかかりはじめた。 ◇◇◇ 水が少しずつ不足していく。 希望崎には水を大量に消費する魔人も居るため、砂丘高校からの配給では足りるはずもなかった。 希望崎学園はもっと水を寄越せと要求し、鳥取砂丘高校は水の消費を抑えろと反発する。 茜が少しずつ煽り立てた功もあって、二校の溝は深まっていく。 それと同時に罪悪感も徐々に茜の精神を蝕んでいく。 敵地だと教えこまれ、潜入した学園の生活は思いの外楽しくて。 機密部の皆は私の正体を知った上で情報を秘匿してくれて。 使命と罪悪感の狭間で揺れつつも、茜は扇動の手を止めることができなかった。 ――――誰かが、きっと誰かが止めてくれる。 そんな甘い願望を縋るように抱いて、任務を遂行していった。 ◇◇◇ 遂に水不足により倒れる人が出てきた。 希望崎、砂丘高校の両方でハルマゲドン開催を望む声が上がり始め、学校内で開戦派と穏健派の派閥が生まれた。 茜は穏健派に所属した。 抑圧が強ければ強いほど人は反発するものである。それを利用して、茜は穏健派として過激派を抑圧することでより過激派の活動を活発にした。 「武力で解決しても何も生みません。平和な解決方法を探しましょう。」 そんな心にも思ってないことを何度口にしただろう。 ……あるいは、本心からの言葉だったかもしれないけど。 過激派の一人はこう語った。 「このままでは二校とも共倒れだ。現状を維持して何になる? 俺は、仲間たちが次々と倒れていくのをただ見ていることなんてできない! 鳥取の人達を犠牲にしてでも自分も仲間たちを守りたいと思うのは、そんなおかしいことだろうか? そして向こうだって同じようなことを考えているはず。もはや衝突は避けられない。ならば、いっそ戦うなら、ゲリラ戦になって泥沼化し始めるという最悪の事態を避ける為にも、明確な勝利条件のあるハルマゲドンを開催するべきだろう!」 彼の考えは少し過激だけど、学園の仲間達を真剣に想う熱意は伝わってきた。 (過激派も穏健派も根本は同じ。皆が皆のことを思って行動している。ただ目的の為に選んだ手段が違うだけだ。それに比べて私は、私は一体何をやっている……?) ここに来て生じ始めた孤独感、疎外感とも言える寂しさ。 仲の良い友だちと話していても、その寂しさが紛れることはなく。 むしろ彼らの笑顔が鈍痛となって心に重く響いてくる。 この寂寥感はきっと罪の意識から生じたもの。 茜の企みの内容からすれば当然ともいえる仕打ちだろう。 計画は成功に近づいているはずなのに、茜は精神的に追い込まれていく。 もうきっと止まらない 今更茜が扇動を止めようが止めまいがいずれにせよ大好きな友人達は命懸けの闘いへと身を投じることになる。 (私は…………わ、たしは…………) 任務と仲間を比べた天秤がぐらり、と揺らいだ瞬間だった。 ◇◇◇ 派閥発生から数日が経ち、水の盗掘未遂事件が発生した。 誰が犯人だったかなど、もはやどうでもよかった。 状況が起こした当然ともいえる帰結であり、例え今回の事件がなかったとしても今後似たような事件は発生していただろう。 ただ一ついえることは、この事件が両校の間に決して埋めることの出来ない亀裂を刻み、事態は急速にハルマゲドン開催へと動き出したということ。 そして。 「番長グループに引き続き、生徒会でもハルマゲドン開催が決議されたぞー!!」 ハルマゲドン勃発。 「マジすか」 「生徒会マジクール」 「今回は生徒会だの番長グループだのって内輪もめじゃねぇ、俺達希望崎が全員一丸になって砂丘高校をぶっ飛ばすんだ。テンション上がってきたぜ―!」 「鳥取の地平線に勝利を刻むのです!」 「気合!いれて!いきます!」 開戦の知らせに盛り上がる希望崎の生徒たち。 喧騒に包まれる中、茜は一人悪寒に震えていた。 「――――あぁ、遂に。」 これで、上毛茜は使命を果たした。 希望崎学園と鳥取砂丘高校は潰し合い、どちらか一方あるいは両方が潰える。 「……ぅ。」 突然、胃のあたりから何かがせり上がってくる気配を感じて、茜はトイレに駆け込んだ。 「……っ。…………っ!……はぁ……はぁ……」 胃の中身をほとんど吐き出した。 口から胃液を垂らすほど吐き出しても、足りないと言わんばかりに身体はえずく。 突如発生した身体の異常に、しかし茜はなんとなく原因を理解していた。 (多分精神的なもの……。自責の念に駆られて、とかそんな感じかな) 胸が痛い。 ハルマゲドンは遊びじゃない。人が死ぬ。 下手すれば戦闘に参加する全員が死ぬかもしれない。たとえ勝てたとしても、無傷の完全勝利とは行かないだろう。 茜は涙で瞳を滲ませながら嘆く。 (私のせいだ……。全部……全部……吐き出して消えてなくなってしまえ。使命も。上毛衆という肩書きも。) そこで、ふと気づく。 (……あぁ、そうだ。消そう。今の私にいらないもの、全て。) 立ち上がって、個室からでる。 颯爽と歩き出した茜の目には固い決意が宿っていた。 ◇◇◇ 上毛衆の隊長との呪符による通信を試みる。 なかなか相手が応じない。苛立ちが募る。 だが、この通信を使うのも最後となるはずだ、と思うことで焦りを抑える。 【※ここから先の一連の会話はグンマー独自の言語で話され(以下略】 『茜か。どうした』 繋がった。 すぅ、と息を吐き出し呼吸を整える。 「……命令通り希望崎学園VS砂丘高校のハルマゲドンを引き起こすことに成功致しました」 『そうか、大儀だ。ハルマゲドン本戦の際に参戦メンバーに選ばれないよう、しばらくは目立たぬ様に行動するといい。貴様も命は惜しいだろう。』 友達を死地に向かわせておいて、自分は安穏とした立ち位置にいられるか? ――そんなもの、答えは決まっている。 「いえ。私は参戦メンバーに立候補しようと思います」 『……何?』 「そして今この時をもって、私は上毛衆を脱退しようと思います。今までありがとうございました。」 『!? 貴様、自分が言ったことの意味がわかってるのか!』 「許可無く脱退する者はかつての同胞の手によって“消される”のでしたよね? ええ、結構です。やれるものならやってみて下さい。確か、せっかく希望崎を潰すチャンスなのに援軍を出すことすら出来ないほど皆多忙なのでしょう?裏切り者一人殺す為に人材を派遣できるほど余裕があるんですかね……?」 『…………。何故だ? さっきから訳が分からない。何が貴様をそうも駆り立てる?』 「やりたいことがあるんです。上毛衆にいたら、恐らくそれは成し得ることが出来ない。」 『やりたいこと、だと?』 「希望崎の仲間たちの役に立ちたい。ただ、それだけのこと。彼らの為になら命を投げ打つことだって惜しくもありません。」 『その仲間たちを死地に追いやったお前が、か? なかなか滑稽なことを言うじゃないか』 「ええ。だから、その罪滅ぼしをしたい。簡単に償えるような軽い罪ではありませんが、上毛衆の名を捨てて、希望崎の生徒としてハルマゲドンに参戦することで少しでも罪を償いたいのです。」 『……ハルマゲドンが終わる頃には余裕もできるだろう。なにやら偽善に酔っているようだが、それも本戦終了までだ。生き残っているならお前の命を、死んだなら上毛歌留多の回収に隊員を回すつもりだ。貴様はいずれにせよ死ぬ定めとなる。』 「そうですか。ハルマゲドンでの生存率は低い。そして上毛衆の追手も返り討ちにできる自信はない。ですが私もむざむざとやられる訳にはいきません。生き残っていたならば自分で、死んでしまったなら仲間に託し、私の持っている上毛歌留多をこの鳥取の広大な砂漠に廃棄します。以後、見つかることはないでしょう。これで“上毛茜”の座は永久に失われます。……ざまあみやがれ。」 『貴様ぁーッ!!!』 通信を切る。 晴れ晴れとした気分だ。 皆が集まる場所に戻ると、既に作戦会議や参戦メンバーの募集が始まっていた。 「あの、私参戦しようと思います!皆の為に頑張りたいんです」 嘘偽りではない、本心からの言葉。 仲の良い友人の数人は心配するような顔でこっちを見てきた。 私はそれにはにかんで手を振る。 ――こんな私にも、心配してくれる人がいる。 ――優しい人達。 ――彼らの為に報いよう。死に物狂いで戦おう。それが、私に出来る唯一の罪滅ぼしだと思うから。 【END】